この恋は、きみの嘘からはじまった。
「かわいすぎるんだけど」
「えっ」
「もっと欲しくなった。
もう離さない。
離したくない」
桃瀬さんの手から逃れて背中に回し、ぎゅっと抱きしめる。
強く引き寄せたから、勢いよく俺の胸に飛び込んできた。
そのまま逃がさないとでも言うように、強く強く抱きしめて俺の腕の中に閉じ込める。
「好きだよ。
すごくすごく、好きだよ」
まだあまり桃瀬さんのことは知らない。
でも、この気持ちにうそは1ミリもないから。
「俺の、本当の彼女になってください」
少し腕を緩めて、顔をしっかりと見合わせて言う。
恥ずかしすぎるセリフ。
こんなこと誰かに言うのは初めてだ。
恥ずかしすぎてしにそう。