この恋は、きみの嘘からはじまった。






「かわいすぎるんだけど」


「えっ」


「もっと欲しくなった。
もう離さない。
離したくない」






桃瀬さんの手から逃れて背中に回し、ぎゅっと抱きしめる。


強く引き寄せたから、勢いよく俺の胸に飛び込んできた。




そのまま逃がさないとでも言うように、強く強く抱きしめて俺の腕の中に閉じ込める。







「好きだよ。
すごくすごく、好きだよ」




まだあまり桃瀬さんのことは知らない。


でも、この気持ちにうそは1ミリもないから。









「俺の、本当の彼女になってください」






少し腕を緩めて、顔をしっかりと見合わせて言う。



恥ずかしすぎるセリフ。




こんなこと誰かに言うのは初めてだ。




恥ずかしすぎてしにそう。









< 123 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop