この恋は、きみの嘘からはじまった。
私は如月くんの本当の彼女に……。
「琴ちゃん!
早く起きないと遅刻するよ!!」
「へっ?
あ、時間やばい!!」
勢いよく部屋のドアを開けられて飛び起きる。
枕元に置いていたスマホで時間を確認すると、家を出なきゃいけない時間まで30分もない。
焦ってベッドから落ちてしまう。
夢、だったのかな……。
急がなきゃいけないのに、さっきまで寝ていたわけだから現実味がない。
その時、握りしめていたスマホが鳴り画面を見た。
送り主は如月くんだった。
《おはよう。
今日は駅まで行くから一緒に学校行こう》
その文面に頬が緩む。