この恋は、きみの嘘からはじまった。
どうしたのかな?
とりあえず杉山くんをじっと見つめる。
けど朝の駅は人が多くていろんな人にぶつかる。
ここで止まったら邪魔になっちゃう。
そう思い動こうとしない杉山くんを引っ張って端に移動した。
「どうかしたの?」
「桃瀬ちゃん……」
杉山くんのことはあまり知らないけど、暗いって言ったら失礼かもだけど暗い表情は初めて見る。
こんな顔もするんだ、と少し意外にさえ思う。
「ごめん!!」
「え……?」
「司が桃瀬ちゃんに賭けで近づいたのは俺のせいなんだ。
気持ち弄ぶような最低なことした。
本当にごめん!!」
「まま、待って!!
落ち着いて!」