この恋は、きみの嘘からはじまった。
「奈々ちゃん、私ってストーカーみたいだね?」
「大丈夫。琴乃はかわいいから許される」
「かわいくないけど、許されるなら良か……っっ」
「琴乃!?」
良かったって言おうとしたらボールが飛んできて顔面に直撃してしまったみたいだ。
なんて冷静にいまの状況を理解すると、顔がヒリヒリして熱くて痛みを感じる。
「こっちゃんごめん!」
「桃瀬、大丈夫か!?」
「ら、らいひょうふれふ……」
こっちゃんは私の愛称で、友達はそう呼んでくれる人が多い。
なんていまはそんな余裕かましてる場合じゃなかった。