この恋は、きみの嘘からはじまった。
その言い方だとさ。
「如月くんって電車通じゃないの?」
「俺?
俺は徒歩通だけど。
家から近い高校選んだし」
「じゃあ1年前に駅で会ったのは……」
「あー、確かこいつん家に泊まってたから」
ってことは普段から駅は使わないってこと?
去年会ったのはすごい偶然だったんだ。
いや、いまはそうじゃなくて……。
「ごめんね、知らなくて。
てっきり電車だと思ってたから、いつも駅まで送ってもらっちゃって今日も……」
「いいのいいの。
桃瀬ちゃんひとりだと危ないし司に送らせとけば」
「その通りだけど、お前が言うな」
如月くんは杉山くんを軽く殴って言い合いを始める。
大人びてると思ってた如月くんは、やっぱり男子高校生らしくて見ていた時よりもずっと距離が近い。