この恋は、きみの嘘からはじまった。
「ちょっ、そんなこと言われたらキスしたくなる」
「え、ここでは……っ!」
「うん。
だから、昼休みに」
そう言ったのに私のおでこにちゅっと軽く口づけた。
それにはなにも言わなかった周りにいた同級生や先輩、後輩から声が上がった。
恥ずかしくなって如月くんを見ると楽しそうに笑っている。
如月くんは元々人気者で有名だった。
私と付き合うようになってこの視線には慣れ始めていたけど、気分的には全く違う。
本当の恋人になれたんだから、周りの視線は変わらないものかもしれないけど、私自身としては本当の恋人として見られている気がしてしまう。
とにかくただ付き合えただけと、世界が違って感じられるんだ。