この恋は、きみの嘘からはじまった。
「あ、見てあれ」
奈々ちゃんに言われて視線の先をたどると、廊下からこちらを見る如月くんとその後ろには秋人くんと杉山くん。
こんなことはいままでで初めて。
私と目が合うと如月くんは優しく微笑んで手を振ってくれた。
手を振った反対には教科書が握られていて、移動教室なんだとわかる。
私も笑顔で手を振り返すと、横にいた杉山くんが全力で手を振り返してきた。
そうしたら秋人くんに殴られて、如月くんも呆れ顔。
再び私を見た3人が同時に手を振るから、笑いながら手を振った。
いままでこうゆうことはなかった。
なんか、なんかね……。
「琴乃、本当に彼女になったんだね」
「いま、すごく実感が湧いた……」
青春だなって感じたよ。