この恋は、きみの嘘からはじまった。
「琴乃!」
昼休みになって、教科書をロッカーにしまっていると肩をポンと叩かれる。
そこには如月くんがいて、すぐに笑みが零れた。
「迎えに来た」
「うん、ちょっと待っててね」
如月くんにそう返すと優しい笑顔を向けてくる。
本当に、幸せだなぁ。
如月くんの笑顔は綺麗でかわいくてかっこよくて、それだけでとろけてしまいそう。
奈々ちゃんに声をかけてから、お弁当を持って如月くんと屋上に向かう。
コツがある、と以前言っていたように数回音を立ててから扉を開ける。
「やっとふたりきりだ」
先に出た如月くんが私を振り返り満面の笑顔。