この恋は、きみの嘘からはじまった。




「雨の日に傘がなくてどうしようって困ってて、でも学校遅刻しちゃうから仕方ないって傘を差さずに雨の中に飛び込もうとしたの」





如月くんは覚えていないかもしれない。


だけど、私にとっては大切な思い出。




特別な日。






「そしたら如月くんが私を止めて、なにも言わずに傘を持たせて自分が濡れながら学校に行っちゃった。
自分の利益なんてないのに、全く知らない他人に優しくできるのってすごいなって思ったの」




むしろ損しかしてないよね。


雨で濡れちゃうんだもん。




自分で傘を使えば濡れていなかったのに。





そうゆうのをなんの迷いもなしにできちゃうのってすごいなって素直に思ったんだ。







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