この恋は、きみの嘘からはじまった。






「琴乃が俺を好きになってくれた」







耳元で囁かれたセリフはとびきり甘い響きでクラクラする。







「俺、傘貸して良かった」





ぎゅぅっと抱きしめる力を強める。


如月くんの想いまで伝わってくるようですごく幸せな気持ちになる。







「濡れたかいがあったよ」


「私としてはほんと申し訳なかったよ……」


「でも、そのあと俺のとこ来てくれたじゃん?
覚えてるよ」





頭を撫でられてドキドキと胸が高鳴りだす。


撫で方が優しくて、男らしくて。




とにかく如月くんの全てが私の胸を高鳴らせる。







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