この恋は、きみの嘘からはじまった。





「康二と同じ傘に入るとかしんでも嫌で雨直撃だったからほんと助かった。
おかげで風邪はひかなかったし」



ニコッと笑った如月くん。


覚えててくれたことがすごく嬉しい。





「だから琴乃は他の女の子と違うんじゃってちょっと期待して声かけたけど、すぐに付き合ったから一緒なんだって思った。
でも、全然違ったね」




ごめんって謝る如月くんに首を振る。


確かに軽い女って思われても仕方ないと思う。




一度しかしゃべったことないのに付き合うって決めたから。


その一度だって、相手は覚えてないかもしれないって思ってたくらいなのに。








「琴乃は期待以上だったよ。
こんな気持ちになったの、初めてなんだ。
自分から欲しいって思ったのも」





それだけで十分だよ。


その言葉がなによりも嬉しい。









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