この恋は、きみの嘘からはじまった。
体育の前半くらいだったから、この時間が終わるころには腫れも少しは治まっていた。
次が最後の授業だけど、出ても大丈夫だよね。
「琴乃ー!」
「あ、奈々ちゃんお疲れ」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「授業戻る?じゃあ、氷だけ渡しておくから授業中も冷やしてね」
「はーい。ありがとうございました!」
氷を受け取り奈々ちゃんと保健室を出て教室に向かう。
まだ熱を持っている頰に氷はひんやりと気持ちいい。
教室に戻ると体操服から制服に着替えて、最後の授業を受けた。