この恋は、きみの嘘からはじまった。
「司のとこ行くの?」
「うん」
「こっちゃん、司のこと励ましてあげてね」
「え?
如月くんどうかしたの?」
「いやぁ、文化祭がかわいそうで……」
「えぇ?いいじゃん、おもしろそうで」
「康二のせいでかわいそうなんだよ」
如月くん、どうしたのかな。
秋人くんは気の毒そうな表情をしているけど、少し笑っている。
杉山くんはノリノリだし、なにをするんだろう?
「クラスの出し物のこと?」
「うん」
「なにするの?」
「えっとね……」
秋人くんが内緒話をするように、少し屈んで手で口元を隠すから私も耳を寄せた。