この恋は、きみの嘘からはじまった。
「……康二」
「……え?」
「はぁー……思いだしたくもないけど、琴乃が他の男と話すのも嫌だから。
あぁもうほんと最悪」
頭を抱える如月くんだけど、私の脳はいまだに理解できない。
康二……って杉山くんだよね?
え?
「杉山くんがシンデレラ?」
「ん」
「男子なのに?」
「ん」
「どうやって?」
「……女装だろ。
想像しただけで気持ち悪い」
「良かったぁ……」
思わず本音が漏れると、キッと睨まれてしまった。
そして私のおでこを軽く人差し指で突く。
「良くないだろ。
康二の女装とかありえない」