この恋は、きみの嘘からはじまった。
そう言うけどね。
私は本当に良かったよ。
「女の子だったらどうしようかと思った。
如月くんの王子様役は見たいのに、他の女の子を探したりダンスを踊ったりするのは嫌だなって。
演技なのにね」
でも、演技でも嫌だもん。
私って嫉妬深いね?
自分がこんなに独占欲が強いなんて思わなかった。
「シンデレラに妬きそうだった自分が恥ずかしいよ。
あ、でも杉山くんにも妬いちゃうかも……」
歩道の真ん中だというのに、急に立ち止まったかと思えばすぐに抱きしめられる。
上から大きな太陽が私たちを照らし、影が重なる。
太陽のせいか、如月くんのせいかわからないけど、体中が熱くなる。
「妬いたんだ?」
「え、うん」
「琴乃も俺と一緒でヤキモチ妬きだね?」
「如月くん以上だと思うよ……?」