この恋は、きみの嘘からはじまった。
如月くんが教室に来てくれたことが嬉しくて頬が緩む。
「どうしたの?」
「さっきメッセージ送ったんだけど、既読つかなかったから」
「あ、スマホ見てないや……ごめんね」
如月くんに言われて思い出し、スマホをスカートのポケットから取り出すと如月くんからメッセージが届いていた。
スマホから顔を上げると如月くんが私をじっと見ている。
どうしたのかな?
不思議に思い首を傾げると、如月くんが私の手をとり歩き出す。
驚いて思わず小さく声が出た。
だけど、おかまいなしにひっぱり廊下の隅。
他のクラスも文化祭準備でたくさん人が残っていて騒がしいのに、ここだけ別空間に感じてしまう。