この恋は、きみの嘘からはじまった。




「ありがとう。
じゃあ、私帰るね」





如月くんに《下駄箱に行くね》と送る。


そして、大道具リーダーに挨拶をして帰ろうとするけど、なぜか腕を掴まれてしまった。






「あ、あのさ……」


「ん?」


「こっちゃんにその……彼氏がいるのは知ってるんだけど」





知られてるんだ。


いや、そうだよね。



教室にもよく来るし、登下校もよく一緒にしてるもん。


なんだか面と向かって如月くんの話題だされると照れる。






「すごいイケメンだし、爽やかだし、こっちゃんにお似合いだけど」


「え、ほんと?
嬉しい、ありがとう。
如月くんはすごくかっこいいから、不釣り合いって自覚してるんだけど、誰かにそう言ってもらえると本当に嬉しいよ」


「え、や、だからそうだけど、そうじゃなくて……」









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