この恋は、きみの嘘からはじまった。
お母さんにいろいろ聞かれたけど、恥ずかしくてなにも答えないまま車で駅まで送ってもらう。
彼氏のことを話すなんてまだ私にはできないな。
いつか、ちゃんと如月くんのこと紹介したいとは思うけど。
「今度は家に連れて来てね。
じゃあ、楽しんで」
「うん、ありがとう」
お母さんにお礼を言って駅裏で降ろしてもらう。
慣れない浴衣と下駄で歩いて、階段を上りホームを通った。
如月くんの乗った電車はもうすぐ着くはず。
ドキドキと高鳴る胸を抑えて電車を待つ。
同じように電車を待つ人の中にも浴衣を着てる人はたくさんいる。
いつもよりにぎわう駅のホーム。
みんな祭り行くんだよね。
ってことは電車込んでるだろうな。