この恋は、きみの嘘からはじまった。
後ろにはドアで前に如月くんが立ってくれているから、さっきよりもすごくラクだ。
如月くんが潰されないように、しっかりと立ってくれてるんだと思う。
「あの、ありがとう。
大丈夫?」
「こんくらい平気。
それに、琴乃のかわいい姿、他の誰かに見せたくないしぶつかって触られるのも嫌だ。
頑張ってくれたのに崩されたくない」
最後に耳元に口を寄せて「崩すなら俺が崩したい」と色っぽい声で囁かれた。
その声とセリフに顔にいっきに熱が集まる。
如月くんを見ればふっと妖艶に笑う。
あぁもう……。
本当にかっこよすぎる。
私服も白いTシャツに黒のパンツとシンプルなのに、如月くんが来たら華やかに感じる。
シンプルだからこそかっこよさがより引き立つ。
今日、私の心臓はもつのかな……?
夏祭りはまだ始まっていないのに速くなる鼓動に不安を覚える。