この恋は、きみの嘘からはじまった。
「ほんと、めちゃくちゃかわいいよ」
私にしか聞こえない声でそう言って、頬にちゅっとキスを落とす。
如月くんが早速甘すぎて私の心臓はやっぱりもちそうにない、と思った。
それから数駅。
如月くんに守られながらやっと花火大会のある浜辺にやって来た。
ここは海の向こうで花火を上げるから、すごく綺麗なんだ。
いまから楽しみだなぁ。
「とりあえず屋台回る?」
「うん。そうしよう」
如月くんの提案に頷くと手を差し出される。
だから、そっと自分の手を重ねるとぎゅっと指を絡めて繋がれた。