この恋は、きみの嘘からはじまった。
「迷子にならないようにね」
「うん」
「ってゆう口実を俺は使わない」
「え?」
「繋ぎたいから繋ぐんだよ。
行こっか」
繋いだ手を軽く引っ張られ歩くのを促される。
なんか今日の如月くんはストレートですごく甘くて、でもやっぱりそんな彼も大好きで苦しい。
照れる暇もなく、歩き出して屋台を見るから、如月くん的には意識してないんだろうな。
私は如月くんのどんなさり気ない言葉でも、心が動いちゃうのに。
「なに食べたい?」
「からあげ食べたい!
去年食べたチーズ味がすごくおいしかった」
「意外と肉食だね?」
「えぇ!?」
楽しそうに笑う如月くん。
でもからあげはみんな好きだと思うな。