この恋は、きみの嘘からはじまった。




如月くんは少しだけ目を見開いてから、私の持っていたかき氷を奪うように取る。



あっと思った時には、残りを全部食べてしまい、空のカップを横に置いた。






「はぁ……ごめん。
俺、一生後悔しそう。
いまは嘘ひとつもなしに、琴乃が本気で好きだから」




私の肩に頭を置き弱々しい声で呟く如月くんに驚く。


そんなつもりで言ったわけじゃなかったけど、ちょっと嫌味っぽかったかな?




自分の言葉を思い出し、少し反省。






「うん、わかってるよ。
いますごく幸せだなって思ってるところだから、後悔なんてしなくていいよ。
如月くんのそばにいられるだけで私は幸せだと思ってたけど、それ以上に幸せな気持ちをたくさんもらってるから」





そっと如月くんの肩に手を置く。



こうやって触れることができる。


本当に心が如月くんで満たされたように、幸せでいっぱい。








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