この恋は、きみの嘘からはじまった。
「琴乃……」
如月くんが顔を上げる。
熱っぽい瞳に吸い込まれそう。
「んっ……」
目を逸らせずに真っ直ぐに見つめていると、唇を塞がれる。
屋台から少し離れた芝生の上。
だけど、花火を待つ人が周りにいてざわついてる。
「だめっ……」
肩を押して体を離そうとするも、背中と首の後ろに手を回されていて離れることができない。
「人がいる、から……」
「暗いから大丈夫」
「でも……っ」