この恋は、きみの嘘からはじまった。
「もうほんとかわいすぎるんだけど、キスしていい?」
「さっきいっぱいしたじゃん」
「まだ足りない」
「今日はもうだめ」
「ケチ」
「如月くんのキス魔。
もうすぐ花火上がるよ」
そう言った時、ちょうど一発目の花火が上がった。
それを合図にどんどん花火が打ちあがる。
わぁ、綺麗……。
如月くんに抱きついていた腕を緩めて、横に座り直し空を見上げる。
暗かった空は急に明るくなり、大きな花が何度も咲く。
ふたりして夢中になって、何度も咲いては消え、また咲く花に夢中になる。