この恋は、きみの嘘からはじまった。
優しく返事をした如月くん……じゃなくて司くん。
嬉しそうに微笑むから、恥ずかしさ以上に愛しさがこみ上げてくる。
「司くん。
司くん、司くん!」
「ふっ……ありがとう」
名前を呼んだだけですごく穏やかな優しい表情をするから何度でも呼びたくなる。
私自身、慣れるためにも呼びたい。
好きな人を名前で呼ぶだけで、こんなにドキドキするなんて知らなかった。
「司くん!」
「ん?」
口元を手のひらで隠して、内緒話をするように背伸びをして耳に近づける。
それに気づいて少し屈んでくれた司くん。
「だいすきっ」