この恋は、きみの嘘からはじまった。
嬉しい出会いと嫌な出会い
−司side−
心臓がバクバクとうるさい。
こんなに緊張することは一生のうちに数えられるくらいしかないと思う。
今後、何度か経験すると思うけどそのうちのひとつがきっと今日だ。
そして俺は生まれてから初めて、ありえないほど緊張している。
電車に揺られること数十分。
俺の緊張は増していくばかり。
目的の駅で降りてホームを抜けると、一際目を引く人物。
俺を見つけるなり、すぐに笑顔になり駆け寄ってきた。
「司くん!」
あぁ、もうかわいい。