この恋は、きみの嘘からはじまった。
俺の名前を呼んでくれるだけでこんなに愛しい気持ちでいっぱいにさせる。
笑われてもなんだっていい。
やっぱり俺は琴乃にべた惚れで、これからも大切にしたい。
「心配くらいさせてよ」
そう言えば琴乃は照れたようにはにかんだ。
かわいくて、いますぐにでもキスしたくなるけどそれをぐっとおさえて、琴乃の家に向かって歩いた。
夏まっただ中で蝉の鳴き声や子どものはしゃぐ声が聞こえる。
澄んだ青い空と眩しい太陽の下で、汗はかくし喉も乾くけど、歩くスピードはお互いにゆっくりだった。