この恋は、きみの嘘からはじまった。
真剣だからこそ、親にも認められたいっていう気持ちが芽生えるんだと知った。
いままでは自分の親に紹介しようとしたことも、相手の親に会おうと思ったことすらない。
当人のふたりだけじゃなくて、周りに目を向けたことがなかった。
琴乃に出会ってから知らない感情ばかりに巡り逢う。
ニコッと微笑めば、琴乃も同じように返してくれる。
この笑顔がすごい好きだ。
「着いたんなら早く入ってよ。
暑いでしょ?
もう用意できてるから」
琴乃の笑顔に癒されていたら玄関のドアが勢いよく開けられた。
エプロンをつけている、琴乃にそっくりな顔立ちの女性。