この恋は、きみの嘘からはじまった。
恵美さんの手料理を食べながら、小さいころの琴乃の話や家での様子をたくさん聞いた。
すごく楽しくて、琴乃という存在にまた近づけた気がする。
「でも琴ちゃんの好きな人がこんなにイケメンで素敵な人だったとはね」
「いや、俺はそんなにいい人じゃないです」
「いい人よ。
だって琴ちゃんが好きになる人ですもの。
それにこの目でしっかり見て、司くんは琴ちゃんのこと大切にしてくれてるって伝わってきたわ」
なんか恥ずかしい。
それは俺だけじゃなかったらしく、琴乃も耳まで染めて俯いている。
「琴ちゃんったらね、バレンタインのチョコも頑張って作っててね。
だけど、当日はすごく落ち込んでチョコのラッピングを見つめてたの」