この恋は、きみの嘘からはじまった。
「え、あ……でも……」
「ダメかな?」
「でも、奈々ちゃんが……」
「琴乃!あたしはいいから行ってきな!……あとでくわしく聞かせてよ」
少し怒ったような声で私の耳元で囁かれた。
顔を見ると少し怖かったけど、如月くんが待ってるしあとでちゃんと説明するからね……!
私も昨日のことは夢なのかもって疑ってたから。
奈々ちゃんの言葉にコクリと頷いて、如月くんのいる方へ足を向けた。
「え、如月くんが何で?」
「桃瀬さんと付き合ってるの?」
クラスがざわついてるのは分かるけど、緊張している私には何を言ってるのかは正しくは分からない。
でも、自分のことだということは分かる。