この恋は、きみの嘘からはじまった。
手を広げると琴乃はすぐに駆け寄ってきて俺の腕の中におさまる。
もう夕方で気温は昼より下がっている。
だけど琴乃とハグすることで、体温は急上昇。
「お母さんに妬いたの?」
「だって私の司くんだもん」
あー、なにこの子。
ほんとかわいい。
最近では素直になって、俺に甘えてくれる。
俺のことを信じてくれているからだと実感する。
まだちゃんと付き合ってないときは、俺にこうやって甘えてくれることはなかったから。
「どっか寄る?
そこでいい?」
少し先に看板が見えているコーヒー店。
琴乃が頷いたのを確認して、体を離して手を繋ぎ店まで歩き中へ入った。