この恋は、きみの嘘からはじまった。
猫娘の奈々ちゃんは浴衣にサンダル、猫耳をつけてメイクは目元が鋭く、怖さを入れるために血糊を口元につけている。
頬も傷メイクをしているけど、元々の美人は隠せない。
暗闇から脅かされたら怖いと思うけど。
「よし、脅かすかー!」
「そうだね!頑張ろう!!」
ふたりで気合いを入れて持ち場につく。
私は暗幕の中で、適当に通った人に霧吹きで水をかけるだけ。
夏だから半袖だろうし、腕にめがけてかけようかな?
顔は女子だとメイクとかあるだろうから。
ひとり暗いスペースでお客さんが来るのを待つ。
「うおっ!」
「びっくりしたー」
最初のお客さんは男子2人組みたいだ。
驚いた声が聞こえてだんだん近づいてくる。
シュッ。
「わぁっ!!」
「なんだ、水か。
冷たかったな」