この恋は、きみの嘘からはじまった。
ほわんとした夢心地でいたけど、痛いほど視線を感じて現実に引き戻される。
は、恥ずかしすぎる……!
司くんはかっこよくて有名だから、そんな人と私が一緒にいて人が多い廊下でさっきみたいなこと。
注目されるのにはずっと司くんといるから慣れてきたとは思ってたけど、やっぱりだめだ。
こうゆうの苦手だ。
きっと赤いであろう顔を両手で隠して、ペコペコしながら廊下を進む。
劇までまだ時間あるし、奈々ちゃんのところでも行こうかな。
お腹も空いたし、なにか食べたい。
「ひゃっ」
いろいろ考えながら歩いていると、人がいるのに反応できずにぶつかってしまった。