この恋は、きみの嘘からはじまった。
だって私は早く司くんの劇を観に行きたいんだもん。
もうすぐ開演の時間だ。
急がないと。
「前会った時も逃げたよね?
僕といるのが怖い?
もう大丈夫だから、あんなつらい思いはさせない」
「だから、逃げてないって!」
「新しい男いるのに、僕にまだ気持ちがあるから逃げてるんでしょ?」
「なんでそうなるの!!」
小野寺くんの言っていることは違う。
そんなわけない。
だって、私たちは3年以上前に終わったんだから。
すでに終わった恋なんだから。
「さようなら」
「もう離さないって決めたから」