この恋は、きみの嘘からはじまった。
「桃瀬さん?」
「あ、ごめんね。嬉しすぎてこれは夢なのかなって思っちゃって……」
「連絡先だけで大げさだなぁ」
「そんなことないよ!本当に嬉しい……」
こんなに幸せなことってあるんだろうか?
如月くんを好きになって、こんな夢みたいな日が来るなんて思ってもみなかった。
「……放課後、あいてる?一緒に帰りたい」
「今日の放課後は部活が……ごめんなさい」
「そうなんだ……」
「あ、明日はどうですか?」
誘ってくれてすごく嬉しい。
けど、部活はちゃんと出たいし。
それでも、私も一緒に帰りたいから勇気を出して誘ってみる。