この恋は、きみの嘘からはじまった。
この感じ、前にもあった。
私と司くんが嘘偽りなく付き合った日。
泣いてた私を秋人くんが慰めてくれたときだ。
「ごめん、すぐ戻るよ」
「あ、秋人くんありがとう!」
「うん」
立ち上がった秋人くんは手を振ってステージ裏の入り口に向かって歩き出す。
残された私と司くんは少し見つめ合ったあと、司くんから目を逸らされた。
「泣いてた?」
「……うん」
「秋人に慰めてもらったの?」
「……うん」
「そっか」