この恋は、きみの嘘からはじまった。
「司く……」
「ごめんね」
最後にそれだけつぶやくと背を向けて歩きだした。
目、合わせてくれなかった。
逸らされることがこんなに苦しくてつらいだなんて思ってなかった。
私はそれをずっとやってたんだ。
司くんの後ろ姿を追いかけたいのに追いかけることができない。
でも、このままじゃだめなことくらいわかってる。
秋人くんから手を離し、急いで立ち上がる。
「こっちゃん!!」
「桃瀬ちゃん!!」
だけど、すぐに視界がグラッと大きく揺れた。
左半身に痛みが走る。
頭がクラクラする。
気持ち悪い。