この恋は、きみの嘘からはじまった。





「……それでこっちゃんが落ち着くまで一緒にいた。
そのときに司が来たんだ」


「じゃあなんでこそばしあって笑ってたんだよ」


「あれは!
……こっちゃんが鋭くて動揺した俺を笑ったから」


「は?」


「まぁそうゆうことだよ。
だからやましいことはなにもない。
一緒にいたとき、いろいろ話を聞いたけどそれは俺が言っていいものじゃないと思うから言えないけど……」






やましいことがないなんて当たり前だ。


あってたまるか。




そう思うけど、心底安心している俺がいる。



秋人は男の俺から見てもかっこよくていい男だと思う。



俺が女だったら、絶対に俺じゃなくて秋人と付き合いたい。





だから不安になるんだ。


友達相手でも嫉妬する。



だけど、こんないい男なんだ。


俺が想像したようなことになるはずない。





俺と考え方も生き方も違うかっこいい男なんだから、あるはずなかったんだ。







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