この恋は、きみの嘘からはじまった。




「奈々ちゃん……すき……」



思わずポツリと出てしまう言葉に奈々ちゃんが急に席を立つ。


そして私の隣にやって来たと思ったら、勢いよく横から抱きしめられた。





「付き合おっか」


「うん!」


「って、如月に怒られるわ。
でも、即答嬉しい」




ぎゅーぎゅー抱きしめられて、それが嬉しくて笑みが零れる。


少し元気出てきた。




奈々ちゃんが言った通りだ。





怖いけど、逃げてばかりの私は嫌だから。





「奈々ちゃん、頑張るね。
ありがとう」


「うん。頑張れ」





その言葉だけで私は頑張れる気がした。








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