この恋は、きみの嘘からはじまった。
重たそうな扉の音に加えて、さびた部分が高い音を出す。
その音に反応して、フェンスに手をかけてグランドのほうを見ていた司くんがゆっくりと振り向く。
少し遠い距離。
だけど、目が合っただけで泣きそうになった。
たった3日。
3日会ってなかっただけ。
夏休みとかでそれ以上会えないときはあったのに、たった3日がすごく長い期間に感じられて、込み上げてくるものがあった。
「良かった、来てくれて」
私に数歩近づいてから、優しい声で儚げにはにかむ司くんに我慢できず、一筋の涙が溢れた。
「ごめんなさい」
私は深く頭を下げる。
そのせいでまた、涙がコンクリートに落ちてポタポタと雫で色が濃くなる。
「琴乃っ……」
「私、司くんを裏切るようなことしたっ……」