この恋は、きみの嘘からはじまった。
「もしかしてまだ警戒してる?」
そう言いつつ黒髪の人が私の前の席に座って振り向く。
もう1人は隣の椅子を引っ張って私のすぐ横に来た。
「えっと、その……」
「俺ら、司の友達。だから、桃瀬ちゃんのことは知ってる」
「あ!」
「分かってくれたみたいだな」
黒髪の人の言葉に何度も首を縦に振る。
思い出した。
如月くんはいつも3人で行動する真ん中にいる。
その両端の2人がこの人たちだ。
申し訳ないながらいつも如月くんしか見てないから、すぐには思い出すことができなかった。