この恋は、きみの嘘からはじまった。
心から繋がっていると感じられる。
靴を履き替えたら自然に指を絡めて手を繋ぐ。
同じように下校している生徒がいて、見られるのは恥ずかしいけど、司くんと手を繋ぐのは嬉しいからなんとも言えない感情になる。
でも、やっぱり司くんと手を繋いで歩くほうが嬉しいから、恥ずかしさのほうが小さいかも。
「今日ね、奈々ちゃんとスタンプを探してたんだけど、そのときにすごくかわいいの見つけたんだ」
「どんなの?」
「ねこのスタンプなんだけどね、買ったから今日の夜送るね」
「うん、待ってる」
他愛ない話をしながら歩く。
司くんは私のどうでもいいような、おもしろくない話でも、ニコニコしながら楽しそうに聞いてくれる。
そのときの司くんの表情が本当に大好き。
好きなところがありすぎて、まとめられないくらいに。