この恋は、きみの嘘からはじまった。
でも、司くんはそんなことないって思う。
とりあえず、自分の考え方にびっくりした。
「……そっか」
「心が狭くなって、醜い自分がいやにな……んっ……」
静かに私の言葉に反応してくれて、それに続いて説明しようとしたら肩に手を置かれて唇を塞がれる。
そんな雰囲気じゃなかったから、不意打ちをくらって固まる。
目を開いたままだったけど状況を理解して、目を閉じキスを受け入れた。
優しく触れられて、気持ちよくていやな考えはだんだんとどこかへ消える、
「醜くないよ。
俺だってそんなこと毎日のように思ってる。
いや、もう一日中、常に思ってるから」
唇を離してすぐにそう言ってくれた司くんは優しい瞳で私を見ていた。
「俺の全部を琴乃のものにしたいってこと?
そんなの、もうそうだよ。
俺は琴乃のものだよ」