この恋は、きみの嘘からはじまった。




「俺は、琴乃のものだから好きにしていいよ。
なんでもわがまま言って、俺を独占して。
琴乃のそうゆう気持ち、少しも取りこぼさずに全部欲しいから」





もう、また底なし沼にはまる。


抜け出せない。





「……うん、ありがとう」




司くんはいつも私の気持ちを受け入れてくれる。


寛大な心の持ち主だって、私は思ってるからね。




何度でも感じる。


司くんがいいって。






「これからもずっとよろしくね」


「そのつもりだよ」


「改めてってことで」


「うん。改めまして、これからもよろしく」






そう言って微笑んだ司くんに、今日何度目かわからない同じ気持ちが湧きあがった。








< 382 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop