この恋は、きみの嘘からはじまった。
「俺は、琴乃のものだから好きにしていいよ。
なんでもわがまま言って、俺を独占して。
琴乃のそうゆう気持ち、少しも取りこぼさずに全部欲しいから」
もう、また底なし沼にはまる。
抜け出せない。
「……うん、ありがとう」
司くんはいつも私の気持ちを受け入れてくれる。
寛大な心の持ち主だって、私は思ってるからね。
何度でも感じる。
司くんがいいって。
「これからもずっとよろしくね」
「そのつもりだよ」
「改めてってことで」
「うん。改めまして、これからもよろしく」
そう言って微笑んだ司くんに、今日何度目かわからない同じ気持ちが湧きあがった。