この恋は、きみの嘘からはじまった。
いきなり奈々ちゃんがそんなことを言うから、噛みしめタイムは終了して奈々ちゃんに視線を向ける。
奈々ちゃんは頬杖をついて、私をまっすぐ見ている。
「最初はどうなることかと思ったけど、幸せそうで良かった。
相変わらず仲良しだし」
「えへへ」
嬉しいけど改めて言われると照れちゃう。
目を合わせたり手を振ったり、そうゆう些細なことでも幸せを感じられる。
仲良し、だと思うよ。
前よりもお互いのことよく知ってるし、なんでも話せるようになった。
いい意味で気を遣わなくなったし、距離はグンと縮まってるかな。
「奈々ちゃんは……」
「席着けー。授業始めるぞ」
「あ、ごめん。
戻るわ」
「うん」
奈々ちゃんの恋愛、気になるなぁ。
それを聞こうと思ったけど、先生が教室に入ってきたせいで聞けなかった。