この恋は、きみの嘘からはじまった。
「ま、またね!」
だから私が手を振り返すと2人ともにこっと微笑んだ。
そのまま教室を出て廊下を歩き、下駄箱で靴を履き替えるため、私の腕は解放された。
「き、如月くんっ!
カバン待つよ、ありがとう」
「うん」
頷いた如月くんがカバンを返してくれる。
それを受けとってから靴を履き替えた。
「桃瀬さん」
一緒に校舎を出て並んで歩き始めると、急に立ち止まった如月くんに合わせて足を止める。
「はい?」
「康二と秋人に変なこと言われなかった?特に康二とか」
「変なことって?」