この恋は、きみの嘘からはじまった。
「とにかくこっちゃんと付き合って、司は変わったよ。良い方にね」
「そうなの?」
私が知ってる司くんは最初から優しかったから。
その優しさに心を奪われた。
「そうだよ。
だから、これからも司と仲良くしてやってね。
もうあいつ、こっちゃんいないと生きていけないだろうし」
「それは大袈裟だよ」
「琴乃も如月いないと生きていけなさそうだよね」
「それは……そうかもしれない」
「司うらやましすぎる!
俺も桃瀬ちゃんと付き合いたい。
付き合おう?」
「えぇ!?」
「それ、絶対に司の前で言うなよ?」
「言ってみてよ、どうなるか見たい」
杉山くんが私の手をとり、歯を見せて爽やかな笑顔を作る。