この恋は、きみの嘘からはじまった。
「特に話すことないわよ。
それなりにした程度で」
「そこのとこをもっとくわしく」
「えー……、はぁ。
告白されて何度か付き合ったくらいで、恋愛体質じゃないからすぐに振られた」
な、奈々ちゃんを振るなんて!
そんなもったいないことをする人に驚く。
私が男なら本気で奈々ちゃんと付き合いたいって思うもん。
「それは相手のこと好きじゃなかったんだね」
「んー、まぁそうかも」
「好きな人は?
小さいころでもいいから」
急に秋人くんが奈々ちゃんにグイグイ迫る。
秋人くんも気になるんだな。
「小さいころ……あ、4つ上の人。
近所に住んでたメガネかけた男の子のお兄さんが好きだったなぁ。
懐かしい」
「小さいころの恋か。
かわいくていいね」
「俺も幼稚園のころは好きな子いっぱいいたわ」
「それと一緒にしないでよ」