この恋は、きみの嘘からはじまった。





「それがな、けっこう元気っ子なんだよ。
クラスでも目立つタイプのわちゃわちゃ系」


「意外だね」




秋人くんを見ると苦笑いを浮かべていた。





「杉山の元気だけじゃ足りないの?
よく疲れないね」


「ちょ!小川さん、それはどうゆう意味!?」


「……はぁ」





奈々ちゃんの棘のあるような言葉、主にダメージは杉山くん行きのセリフ。


なのに杉山くんは奈々ちゃんに絡んでもらえるのが嬉しそう。



子犬みたいだなぁ。




それとは打って変わって秋人くんはまたため息をついた。


暗い表情だったけど、そのあとにふっと優しく笑みを零して、その横顔に思わずドキッとした。




昔を懐かしむような、愛しいものを見るような、そんな表情。







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