この恋は、きみの嘘からはじまった。
誰かなんて顔を見なくてもわかる。
けど、声を聞いて確信に変わった。
やっぱり、司くんだ。
目の前のシャツをキュッと握りしめる。
いきなり現れるんだから心臓に悪い。
まだ鼓動がうるさい。
すぐ、司くんだけになる。
「うん」
「わかればよろしい」
その言葉と同時に手が離れて顔を上げれば、にこっと優しく微笑んでくれた。
司くんのその優しい笑顔が大好きで、私も同じように微笑む。
「あまーい!」
「夏終わったのに暑すぎ」
「なんか、ごめんね」
杉山くん、奈々ちゃん、秋人くんと順番に発言した3人の顔はニヤニヤしている。